2012年7月6日金曜日

シャーマニズム

末次です。

本日の授業は、このプロジェクト演習を私とともに担当していただいている、申昌浩先生から、奄美大島に深く根付いているシャーマニズムの話をしていただきました。

宗教学がご専門の申さんは、ジブリ作品の、『風の谷のナウシカ』(左の写真)、『となりトトロ』、『もののけ姫』などから説き起こし、人間が自然と直接向き合うことから始まったアニミズムの世界から、文化としてのシャーマニズムにいたるまで、具体的で、身近な用例を引用しながら、お話しをして下さいました。

申先生は、本来韓国の現代宗教を中心に研究されている方ですが、同行していただくので、私がシャーマニズムから奄美にふれていただくように、半ば無茶ぶりしたのでした。

しかし、申先生が取り上げ、比較された、韓国と奄美双方のシャーマニズムは、ことのほか類似していて、なかなか興味深いものがありました。両者の本格的な比較研究はあまりなされていないので、これからの研究課題として、たいへん面白いものだと感じました。このような世界に初めて触れる学生も多いようで、興味深く話を聞いていました。

最後には、今回のプログラムの中で「映像で見る奄美」班の講師を担当して下さる、地元のコシマ・ビジュアルさんが1978年に記録された、奄美大島のシャーマンであるユタの「成巫式」の貴重な映像を鑑賞しました。

今回の短い滞在では、学生たちが地元の民俗宗教に触れることはほとんど無いと思われますが、現地で接する島の方々の精神生活の背後にあるディープな世界を少しでも知っておいてもらうのも、交流を深める意味で、大切ではないかと思いました。


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